可愛がりたい、溺愛したい。




「なーんだ倉橋なのボール蹴ったの」


「うおっ、葉月!!」



わたしの後ろから桜庭くんが男の子に話しかける。


どうやらこの男の子は倉橋くんというみたいで、桜庭くんと知りたいみたい。


ということは1年生かな?



「お、おい葉月!あの可愛い人誰!?」


わたしの顔を見ながら倉橋くんが桜庭くんに話している会話が聞こえる。



「はぁ?今ここに可愛い人なんていないよ。
なに言ってんの倉橋。彼女いないからついに幻覚見えてんの?」


「いや、お前の目は節穴か!?
目の前にとんでもねぇ可愛い人いるだろーが!!」



「目の前って……。
あの地味メガネの人?」



「いや、どこが地味なんだよ!
つか、メガネしてねーし、めっちゃ可愛いし!!
あんな可愛い人見たことねーんだけど!!」


何やら楽しそうに話しているのでお邪魔かなと思い、その場を離れることにした。