「うわー、クリーンヒットじゃん。大丈夫?」
桜庭くんが声をかけてくれるけど、正直それどころじゃない。
ボールが当たった反動でメガネが飛んでいってしまい、髪もぐしゃぐしゃになったので、いったんほどいた。
飛んでいったメガネを桜庭くんが拾ってくれて。
「わー、すみませんでした!!!大丈夫ですか!?」
ボールを蹴った張本人である男の子があわてて窓のほうから謝りに来てくれた。
「あっ、大丈夫だよ。
冷やせばなんとかなりそうだから」
ついでに飛んできたサッカーボールを手渡ししてあげると。
「え……、あ……」
何やら言葉が出ないみたいで、頬が真っ赤になっている男の子。
「だ、大丈夫??顔赤いよ?」
熱があるのかもしれないと思い、手を伸ばしてピタッと男の子の頬に触れると、すごくびっくりした顔をしながら。
「……やっ、だ、大丈夫です!!!!」
すごいあわてっぷり。
わたし何かしたかなぁ……?

