可愛がりたい、溺愛したい。




うっ……ダメだ。

ますます気分を悪くさせてしまったっぽい。


「ご、ごめんね。
もう話すのやめて、手当てするね」


これ以上余計なことを話すと
ろくなことがなさそう。


「手当てっていっても指から血出てるだけなんだけど」


「止血はちゃんとした?」


「知らない」


「知らないって……」



「なんか知らないうちに切れてたから」


手を見せてもらうと、指を軽く切っている。



「もしかして紙で切ったのかな」


「紙で指って切れるの?」


「うん、案外紙って鋭いんだよ。
油断すると簡単に切れちゃうし、地味に痛いし」


「へー、そう」



血は止まっているみたいなので、軽く消毒をして、絆創膏を用意して貼ってあげた。


「はい、これでいいよ。
絆創膏は時間が経ったらきちんと清潔なやつに取り替えてね?2枚くらいあげるから」


「ん、どーも」