「わ、わがままって思わない……?」


「それは聞いてみないとわかんないけど」



「わたしは依生くんだけしかドキドキしないから。だ、だから、依生くんが他の女の子に取られちゃうのが嫌なの……」


告白まがいなことを口にしてるのは充分わかっているし、幼なじみのくせに、そこまで依生くんを縛りつける権利もない。



ただのわがまま。


こんなの聞いてくれるわけないって、何言ってるのって返されるのがこわい。



不安になってギュッと目をつぶって依生くんの言葉を待っていると。



「……はぁ、ほんとなんもわかってない」



ため息が聞こえて、胸が痛くなった。


やっぱり言わなきゃよかったって、後悔する。


泣きそうになるのをこらえながら、
依生くんの腕から離れようとしても離してもらえず。



「……僕はこんなに帆乃でいっぱいなのに」