可愛がりたい、溺愛したい。




「何が恥ずかしいの?」


「やっ、だから……っ」


「んー、いうこときけない帆乃はきらい」



そう言うと、わたしの脇の下にするりと依生くんの手が入ってきて、簡単に身体を持ち上げられてしまい。


あっという間に依生くんの上に乗せられてしまった。



少し下を見れば依生くんの整った綺麗な顔があって。



身体が密着しすぎて心臓が壊れちゃうんじゃないかってくらい、ドクドクしてる。


ふだん優しいのに、たまにこうやってイジワルなことをしてくる依生くんの意図は読めない。



「帆乃ドキドキしてるの?」


「ち、ちが……」



「違わない。身体くっつけてるとわかるよ」

「っ、」


ほんとに、敵いっこない。


「それにさー、そんな真っ赤な顔してるのに?」


「こ、これは……っ」


「これは?」


片方の口角を上げて、ニッと笑う顔にまでドキッとしてるわたしって重症かもしれない。