可愛がりたい、溺愛したい。





「今さー、帆乃が足りなくて僕死んじゃいそうなの」


ふだんしっかりしてるのに、甘えてくる時の依生くんは少しだけ幼く見えて可愛い。



「だから帆乃が癒して」


「い、癒すって……」



そんなの無理だよって言おうとしたのに。


「無理はダメだよ。
そんなこと言ったら帆乃以外の女の子にそーゆーことしてもらうよ?」


「っ、」


きっと、わたしが嫌だっていうのをわかっているうえでの強気な揺さぶり方。



「ほーら、いい子だからおいで」


膝をポンポンと叩きながら、早くここに来なよって顔でこちらを見ている。



「や、……だよ、恥ずかしい」


自分から依生くんの膝の上になるなんて恥ずかしい。


それに、その体勢だとわたしが依生くんを押し倒してるみたいに見えるし…。