可愛がりたい、溺愛したい。




***


あれから部屋に戻って、着替えを済ませて、
ご飯とかお風呂とか終わらせて、今の時刻は夜の10時前。



ちなみに依生くんの部屋はお父さんが以前まで使っていた部屋を使っているみたい。


家具とかは基本そのまま置いていたので、ベッドとか机とか最低限のものは揃っている。



今はリビングにある大きなソファで依生くんと隣に並んでテレビを見ているところ。



ちょうど10時になって、見ていた番組が終わり、依生くんがテレビを消した。



そして、こちらを向いて、わたしの頬をツンツンしながら。



「ほーの」


「なぁに?」


依生くんのほうに身体を向けると、意外と距離が近くて。



「ギュッてしたいから、僕の膝の上おいで」


「へ……っ?」



甘えるような誘い方。


依生くんはたまに、2人っきりの時に不意打ちにこういうことを言ってくることがある。