可愛がりたい、溺愛したい。




***


あれからお客さんが数人来たけれど、ほとんどの人が常連さんで、わたしがうまく聞き取れなくて聞き返しても、嫌な顔せずに答えてくれたり。


手際が悪いところは浅川さんがフォローしてくれて、なんとか初日を無事に終えることができた。



今はお店を閉めてから、浅川さんと店内の掃除をしているところ。


時計で時間を確認すると7時半を回っていた。


あっ、そうだ。依生くんには7時で終わるって言ってあるのに、だいぶ時間がオーバーしてしまっていた。


連絡したほうがいいかな…と思いスマホをエプロンのポケットから取り出すけど、バイト中に使うのはまずいかなって思って、ポケットにしまうと。



「誰かに連絡とりたい感じなら取っても大丈夫だよ?もうお店は閉めてるし。

あんまり遅いと家族の人とか心配するもんね。
いいよ、お母さんとかに連絡入れたかったら入れても」


「あっ、いや……えっと……」



こういう時って、彼氏ですって言えばいいのかな?

なんだか恥ずかしくて言いにくい。