「そんな服じゃなくても、帆乃が抱きしめてっておねだりしてくれたらいくらでも抱きしめるのに」


「ほ、ほんとに?」


「うん。
まあ、僕が抱きしめたいだけなんだけど」


そう言いながら、あっという間に依生くんの腕の中。


やっぱり服なんかより、本物の依生くんに抱きしめられてるほうが、圧倒的にいいような気がするとか思うわたしって単純。



「けど抱きしめるだけじゃ足りないから」


「……ん、」


「……キスくらい許して?」




甘い甘い香りが鼻をくすぐって、


耳元では甘いささやきと、


唇に落ちてくる甘いキスに


翻弄されてばかり。