可愛がりたい、溺愛したい。




***


「はあああ、もうクタクタ…!」


気づけば2時間弱くらいはしゃぎ回っていた。



「先輩俺より子どもじゃん。
なんだかんだ楽しんでるし」


とか言いつつ、葉月くんだって楽しんでたくせに。


もうそろそろ帰るにはいい時間。


夏に比べて日が短くなったので、暗くなるのも早い。



「そろそろ帰ろっか。
もう暗くなっちゃったし。葉月くんは時間大丈夫?」


「あーあ、ふつう逆だよそれ」


「え??」


「時間大丈夫って聞くのは男のほうでしょふつう」


「あ、そうなの?」


葉月くんは自分より年下だからっていう意識があるせいか、心配して聞いてしまった。



「ははっ、ほんと先輩って抜けてるところあるよね」


いつもイタズラっぽい悪い笑みしか見せないのに、今日は自然と楽しそうに笑っているように見える。



そんなことを考えていると、突然手を握られて。


「ねー、先輩。
最後にさ、あれ乗らない?」