可愛がりたい、溺愛したい。




「じゃあいいよ、1人で乗るもん」


「それは虚しすぎるでしょ。
仕方ないなあ、付き合ってあげるよ」


なんだかんだこうやって付き合ってくれるところが、意外と優しかったり。



結局、一緒に乗ってもらったけど、周りがすごい勢いでハンドルを回している中、何もせずに座っているだけというシュールな光景になっていた。



「あー、俺たちすごい浮いてたよねー。
回らないコーヒーカップとか初めてだし」


葉月くんはコーヒーカップを降りてからずっと笑ってばかり。


「回さなくても充分楽しめたもん!」


「帆乃先輩ってちょっと変なところあるよね」


相変わらず笑ったままなので、無視してスタスタと歩いて、乗りたいアトラクションを全て制覇する勢いで楽しんだ。