「えっ……う、うそ…っ、身体熱いよ…!」
依生くんの身体に触れると異常なくらい熱を持っているし、耳元で聞こえる呼吸も荒い。
さっきふらついていたし、もしかしたら熱中症かもしれない。
すぐにベッドのほうへ運んで、横に寝かせた。
そして保健室にある冷やすものを片っ端から集めて、依生くんの身体にあてる。
「えっと、大丈夫?
わたしの声ちゃんと聞こえる?」
もし反応がなかったら意識がかなり薄れているので、すぐに古川先生を呼んでこなくてはいけない。
「ん……大丈夫」
きちんと反応してくれたので、とりあえずホッとする。
「ちょっと冷たいかもしれないけど、身体の熱を下げるためだから我慢してね。
あと古川先生にも見てもらったほうがいいから、すぐに呼んで……」
まだ話している途中なのに、長い腕がゆっくり伸びてきて、熱を持った手でわたしの手をつかみながら
「……どこもいかないでよ、帆乃」

