さらに葉月くんは話し続ける。
「そもそも恋愛にそんな興味なくて。
相手は誰でもいいとか思ってて。まさかそんな俺がこんなに帆乃先輩に夢中になるなんてね」
イスについていた手の上に、そっと手を重ねてきた。
「自分でもおかしいくらいに先輩のことでいっぱいだし、すごくすき。
少しずつだけど先輩と過ごして、内面とか知って、ますます気になって手に入れたくなる」
はじめてだ。
こんなふうに葉月くんが自分の想いを話してくれたのは。
いつも生意気ばかりで、平気で脅してきたりするくせに。
それなのに、いきなりこんな真剣な一面を見せてくるなんて。
「彼女になってくれたらとびきり大事にするのに」
片頬に葉月くんの手が触れて、そのまま横を向かされて目が合うと少しだけ鼓動が速くなる。
「どうやったら……俺は三崎先輩以上になれる?」
「っ、」
少し切なく歪んだ表情は、とても作りものには見えない。

