「まあ、俺が助けに行ったら余計目立っちゃったけど」
「そんなことないよ。
すごく恥ずかしかったけど、助けに来てくれたの感謝してるよ、ありがとう」
助けてくれたおかげで抜けることができたし、こうして保健室まで連れてきてくれて、手当てもしてくれて。
思ったことを素直に伝えると、自然と笑顔になっていて。
「先輩が素直なのかわいいね。
もっとそうやって俺の前で笑ってくれたらいいのに」
少し照れた顔をしながら、隣に腰かけて、
スッとわたしの髪に触れる。
「今回は三崎先輩より俺のほうが先に帆乃先輩のピンチを助けたよ」
「そう……だね」
「これからもそうするつもり。
三崎先輩がそばにいない分、俺がそばにいるから」
珍しく真剣な顔つきで言ってくるから、なんて返していいのか戸惑う。

