可愛がりたい、溺愛したい。




「あいつも悪いところあるよね。
気持ちはっきりさせないくせに帆乃ちゃんに対する独占欲は異常だし。

あれだったら、帆乃ちゃんから依生にもう一回好きって伝えてみるとかどう?」



「えっ、む、むりむり!
そんな勇気ないよ……。それに、もし振られちゃったら幼なじみでいることすらできなくなって、今より距離ができちゃいそうだから……」



幼なじみをやめたいくせに、やめたらやめたで距離ができるのが嫌なんて矛盾してる。



「そっかー。
なんか2人見てるともどかしいね。
明らかにくっつきそうなのに」


そう言いながら、ベンチから急に立ち上がって。



「まあ、俺からあんまごちゃごちゃ言うのも違うか。2人の問題だし。

いつか、もう一度気持ち伝えるチャンスあればいいね」


「あっ、えっと、この話は……」



「依生には内緒にしとくから安心して」


少しでも今の話を花野井くんが依生くんにしてしまったらどうしようって思ったけど、その心配は不要だった。