【社内公認】疑似夫婦-私たち(今のところはまだ)やましくありません!-

「夫婦らしくお揃いのパジャマにしてみようかな。そのブランドって確かメンズもあったよね?」

「たぶん……あるのはあると思う。種類は少ないと思うけど……」

 頭に思い浮かべた段階で〝似合う〟と思った。森場くんとモコモコ素材。お揃いのパジャマはちょっと恥ずかしいけど……。

「ベッドと一緒にパジャマをライン展開するのはアリだと思うんだ。機能を体感しやすい素材を探して、〝眠りの質アップ〟に特化した型を研究してさ。そしたらデザインはシンプルなほうがいいと思うんだけど、一口に〝シンプル〟とは言ってもダサいのもお洒落なのもあるもんな……」

「そ、そうだね……」

 彼の仕事はもうとっくに始まっている。口元に指を当てて真剣な顔でぶつくさ言っている森場くんにちょっと気圧されてしまう。でも……気圧されている場合じゃない! 私だってこの暮らしの中で何か気付きを得て、プロジェクトに貢献しなければ。

「ちょっと私、パソコン持ってくる!」

「え」

「仕事の話もするだろうなと思って自分のパソコン持ってきたの。ちょっと待ってて!」

 一度リビングに戻ってボストンバッグの底からノートパソコンを取り出し、森場くんのいる寝室へと戻る。

 二人で一緒にベッドの中に潜り込みながら、〝パソコンを持ち込んだのはいいアイデアだ〟と思った。これで一気に〝お仕事感〟が出る。男女の同衾でもいやらしい感じにはならない。……うん! ビジネス最高!