冷蔵庫にあったペットボトルのミネラルウォーターをいただき、スキンケアと歯磨きを済ませた私は森場くんと一緒に寝室へと向かった。
部屋の広さにはもう驚かない。元々置かれていたらしき森場くんのベッドが部屋の隅に寄せられ、技術開発室で試したあのプロトタイプベッドが部屋の真ん中に配置されている。それでもまだスペースが余るくらい、広い寝室。――男の人の部屋だ。どこもかしこも森場くんの匂いがして、クラクラする。
「なっちゃんが自分ちで荷物をまとめてる間に搬入してもらったんだ。斧田さんと、もう一人技術開発の人に手伝ってもらって」
「へぇ……」
今日決定したことに対して即日対応できるあたり、フットワークの軽さに驚かされる。同時に、〝やっぱりみんな真剣なんだ〟と、これが仕事であることを強く意識する。さっきからの私は浮足立ちすぎていてダメだ。やましいことばっかり考えてないで、ちゃんと仕事をしないと。
「ところで、なっちゃん」
「はい!」
気合いを入れ直したところだったので意気揚々と返事をすると、「元気いいね」と笑われた。彼は私の体を上から下まで舐めるように見て。
「そのパジャマ可愛い」
「あ……ありがとう」
私が着ていたのはなんてことないパジャマだ。……と言っても、手持ちの中ではそれなりに良いものを選んだ。女子が大好きなあのモコモコが主流のブランドのものを。その中でも、私が着ているのは比較的シンプルなものだ。下はモコモコのハーフパンツ。上はシンプルな白地のTシャツ。上にタオル地の紺のパーカーを羽織っている。


