「あんまりじろじろ見られるとちょっと恥ずい……」
「あ……ごめん! プライバシーだよね!」
「いや、いいんだけどさ。やましい本はここには置いてないし……」
「……〝ここには〟?」
「いやいやいや」
明らかに失言をした森場くんは「言葉の綾ですよ」と濁し、わざとらしいほど爽やかな声で話題を変えてきた。
「基本的に部屋のものは自由に使ってもらっていいから。トイレはもちろん確認をとってもらう必要もないし、エアコンも冷蔵庫もテレビもキッチンも自由に使って」
「うん……」
「奥さんなんだから、テレビのチャンネル権奪うくらいでいいよ」
「ふふっ、なにそれ」
本物の奥さんではないから、〝やましい本〟について問い詰めることもしない。私は軽く笑って返しつつ、それでも彼の「奥さんなんだから」という言葉にドキドキしていた。
ご飯を外で済ませてきた私たちは、あとは就寝の準備をするだけ。順番にお風呂に入ることになり、私が浸かった後のお湯に森場くんが浸かるというのがどうにも恥ずかしかったので、彼に頼み込んで先に入ってもらうことにした。
「俺はなっちゃんの後がいいのに……」
「〝後がいい〟ってなに!」
〝後でいい〟の間違いでしょう! あえてそんな言い方をしてくるあたり、森場くんは少し私の反応を楽しんでいる節がある。
「あ……ごめん! プライバシーだよね!」
「いや、いいんだけどさ。やましい本はここには置いてないし……」
「……〝ここには〟?」
「いやいやいや」
明らかに失言をした森場くんは「言葉の綾ですよ」と濁し、わざとらしいほど爽やかな声で話題を変えてきた。
「基本的に部屋のものは自由に使ってもらっていいから。トイレはもちろん確認をとってもらう必要もないし、エアコンも冷蔵庫もテレビもキッチンも自由に使って」
「うん……」
「奥さんなんだから、テレビのチャンネル権奪うくらいでいいよ」
「ふふっ、なにそれ」
本物の奥さんではないから、〝やましい本〟について問い詰めることもしない。私は軽く笑って返しつつ、それでも彼の「奥さんなんだから」という言葉にドキドキしていた。
ご飯を外で済ませてきた私たちは、あとは就寝の準備をするだけ。順番にお風呂に入ることになり、私が浸かった後のお湯に森場くんが浸かるというのがどうにも恥ずかしかったので、彼に頼み込んで先に入ってもらうことにした。
「俺はなっちゃんの後がいいのに……」
「〝後がいい〟ってなに!」
〝後でいい〟の間違いでしょう! あえてそんな言い方をしてくるあたり、森場くんは少し私の反応を楽しんでいる節がある。


