呆気に取られていた私は、なんとか感想を絞り出す。
「……〝仕事する人の部屋〟って感じだね」
「ああ……あんま面白みなくてごめんな。嵌まってるものとか特になくて」
彼はそう言うが、一部にとても情熱を感じる部屋だった。家具自体は少ないし、散らかってもないけれど、ソファやローテーブルの上には流行のリラクゼーショングッズや暮らしに関する雑誌が置かれている。
私の足は自然と本棚に向いていた。体の前で手を組みながら、屈んだりして書籍の背表紙を眺める。〝睡眠〟や〝寝具〟に関する歴史や研究書籍がずらりと並んでいる。
(この人、ほんとにベッドのプロなんだな……)
森場くんの連発するヒットが、ただ単に〝才能〟のお陰ではなく、本人の興味関心と努力に裏打ちされていることを知って嬉しくなった。
(……ん?)
その中でふと、〝睡眠〟や〝ベッド〟といったテーマからは少しはずれた書籍の一角が目についた。
(……〝夫婦の社会学〟? 〝折れない家族のつくり方〟、〝リラックス・コミュニケーション〟……)
これもアイデアに生かすために読んだのかな? などと考えていると、背後をとられた。
「……なっちゃーん」
「わっ!!」
急に耳のすぐ後ろから声がして〝ビクッ〟とする。振り返ると、森場くんが何やら照れ臭そうな顔で私の耳元に向って屈んでいた。
「……〝仕事する人の部屋〟って感じだね」
「ああ……あんま面白みなくてごめんな。嵌まってるものとか特になくて」
彼はそう言うが、一部にとても情熱を感じる部屋だった。家具自体は少ないし、散らかってもないけれど、ソファやローテーブルの上には流行のリラクゼーショングッズや暮らしに関する雑誌が置かれている。
私の足は自然と本棚に向いていた。体の前で手を組みながら、屈んだりして書籍の背表紙を眺める。〝睡眠〟や〝寝具〟に関する歴史や研究書籍がずらりと並んでいる。
(この人、ほんとにベッドのプロなんだな……)
森場くんの連発するヒットが、ただ単に〝才能〟のお陰ではなく、本人の興味関心と努力に裏打ちされていることを知って嬉しくなった。
(……ん?)
その中でふと、〝睡眠〟や〝ベッド〟といったテーマからは少しはずれた書籍の一角が目についた。
(……〝夫婦の社会学〟? 〝折れない家族のつくり方〟、〝リラックス・コミュニケーション〟……)
これもアイデアに生かすために読んだのかな? などと考えていると、背後をとられた。
「……なっちゃーん」
「わっ!!」
急に耳のすぐ後ろから声がして〝ビクッ〟とする。振り返ると、森場くんが何やら照れ臭そうな顔で私の耳元に向って屈んでいた。


