【社内公認】疑似夫婦-私たち(今のところはまだ)やましくありません!-

「……どういうこと?」

「いや、まあ……うん。なんでもないです」

 よくわからない反応をされて、その意味も濁されてモヤモヤが残る。釈然としないからムッとした私に、彼は顔の横で挙手をした。

「じゃあ、はい。質問を変えます」

「いつから質問のコーナーに……」

「恋愛に興味はありますか」

 またその手の質問か。

 意中の人を目の前にして迂闊なことは言えないから、森場くんからこの手の質問をされるのはとってもやりにくい。っていうか何なんだろう。なんでこの人こんなに恋バナが好きなんだろう。酔ってるから? そういう酒癖?

 でも酔っている割に、森場くんはまっすぐこっちを見て待っている。とても答えを濁させてくれそうな雰囲気じゃない。彼の右手は挙がったまま。

 私は不承不承、質問に答える。

「興味は……人並みには……ある、けど」

「なるほど」

 今の回答で何をどう納得したのかわからないものの、森場くんは胸の前で腕を組み〝うんうん〟と頷いている。一体何のための質問だったのか……ただ私が恥ずかしい思いしただけじゃない?

「恋人や気になる相手がいないなら、よかったよ。今更だけど、そんな相手がいるのに俺と疑似結婚なんてできないもんな」

「……そうねぇ」