今の説明で納得してしまえるものでしょうか。凡人の私にはわからない。……ほんとに〝私が凡人だから〟? ほんとにそれが理由?
まだぐるぐる悩んでいた私。気付けば森場くんが下から顔を覗き込んでいた。無防備な接近に、私は性懲りもなくドキドキした。羨ましいほど綺麗な肌。整った顔のパーツ。
「そういうわけだから、吉澤さん。〝なんでもする〟の手始めに、まずは俺のアイデア出しを手伝って。二週間で手の加えようがない完璧な企画をつくろう!」
「……あ…………はい」
なかなかなトンデモ展開だったけど、あの場にいた人は誰一人としてふざけている様子はなく、「すべては新製品の成功のため」と大真面目な顔をしていた。
この時の私は、〝社内のスターを集めたというあの集団は、実はみんなアホなんじゃないか〟と思い始めていた。
(そんな風に思っちゃダメか……)
私が追い付けなかっただけでみんな真剣に判断したんだ。そして何より、森場くんの仕事への情熱は本物だった。一点の曇りもなく、純粋に〝完璧な企画〟を練り直すためにあんな提案をした。それなら私だって、チームの一員として役に立ちたい。〝吉澤がプロジェクトに来てよかった〟と思ってほしい。
ただ気になるのは……いくら仕事とはいっても、男女が一つ屋根の下で暮らすのは、さすがにマズくないですか?
「今日から吉澤さんには俺の部屋で生活してもらいます」
「えっ」
新製品開発のために私が森場くんの〝疑似嫁〟になることが決まった直後、プロジェクトルームの隅っこにある私のデスクで、彼と詳細を打ち合わせすることになった。
「斧田さんにお願いして、あのプロトタイプを今日にも俺の部屋に入れてもらうことになったから。俺たちは二週間あのプロトタイプベッドで一緒に眠って、改良案や新アイデアを出せるだけ出し尽くす。吉澤さんにも案を出してほしいんだけどいい?」
まだぐるぐる悩んでいた私。気付けば森場くんが下から顔を覗き込んでいた。無防備な接近に、私は性懲りもなくドキドキした。羨ましいほど綺麗な肌。整った顔のパーツ。
「そういうわけだから、吉澤さん。〝なんでもする〟の手始めに、まずは俺のアイデア出しを手伝って。二週間で手の加えようがない完璧な企画をつくろう!」
「……あ…………はい」
なかなかなトンデモ展開だったけど、あの場にいた人は誰一人としてふざけている様子はなく、「すべては新製品の成功のため」と大真面目な顔をしていた。
この時の私は、〝社内のスターを集めたというあの集団は、実はみんなアホなんじゃないか〟と思い始めていた。
(そんな風に思っちゃダメか……)
私が追い付けなかっただけでみんな真剣に判断したんだ。そして何より、森場くんの仕事への情熱は本物だった。一点の曇りもなく、純粋に〝完璧な企画〟を練り直すためにあんな提案をした。それなら私だって、チームの一員として役に立ちたい。〝吉澤がプロジェクトに来てよかった〟と思ってほしい。
ただ気になるのは……いくら仕事とはいっても、男女が一つ屋根の下で暮らすのは、さすがにマズくないですか?
「今日から吉澤さんには俺の部屋で生活してもらいます」
「えっ」
新製品開発のために私が森場くんの〝疑似嫁〟になることが決まった直後、プロジェクトルームの隅っこにある私のデスクで、彼と詳細を打ち合わせすることになった。
「斧田さんにお願いして、あのプロトタイプを今日にも俺の部屋に入れてもらうことになったから。俺たちは二週間あのプロトタイプベッドで一緒に眠って、改良案や新アイデアを出せるだけ出し尽くす。吉澤さんにも案を出してほしいんだけどいい?」


