森場くんはまだ私ににじり寄ってきて、隙あらば全身をまさぐってきそうな雰囲気だ。なんだか想像していたのとはまったく違う展開になり、私が混乱していると、はたで見ていた湯川さんが私たちの間に入ってきた。
「森場、やめな。なっちゃんがヒいてる」
「えっ!」
「あ、いえ、ヒいてるとかでは……」
「ごめんねーなっちゃん。森場は自社製品バカなのよ。しれっと人の体で実験してくるから気をつけて……」
なんと……。
〝自社製品バカ〟と称された本人はやっとのこと冷静になったのか、わきわきしていた手を引っ込めてバツが悪そうにしていた。
「ごめん。吉澤さんの体を見ると興奮してしまって……」
「……それ、謝ってるのに超いかがわしいセリフに聞こえます」
「あれ、ほんとだ」
天然なのかな……?
そういえばそうだったかもしれない。小さい頃もちょっと抜けた子どもだったような気がする。それに、なんだか納得した。これだけ自社製品愛が強いからヒットも連発するし、社長を感動で泣かせたりするんだろう。
森場くんは言う。
「今ちょうどプロジェクトが大きく動き出すタイミングだから、一番やりがいがあって楽しい時期だと思う。一緒に頑張ろう」
「はい。お役に立てるように頑張ります」
結局私のことを彼は全然憶えてなかったけど、そんなの気にならなくなるほどワクワクしていた。会社のスーパースターの仕事が間近で見られるのだ。こんなにラッキーなことはない。
「森場、やめな。なっちゃんがヒいてる」
「えっ!」
「あ、いえ、ヒいてるとかでは……」
「ごめんねーなっちゃん。森場は自社製品バカなのよ。しれっと人の体で実験してくるから気をつけて……」
なんと……。
〝自社製品バカ〟と称された本人はやっとのこと冷静になったのか、わきわきしていた手を引っ込めてバツが悪そうにしていた。
「ごめん。吉澤さんの体を見ると興奮してしまって……」
「……それ、謝ってるのに超いかがわしいセリフに聞こえます」
「あれ、ほんとだ」
天然なのかな……?
そういえばそうだったかもしれない。小さい頃もちょっと抜けた子どもだったような気がする。それに、なんだか納得した。これだけ自社製品愛が強いからヒットも連発するし、社長を感動で泣かせたりするんだろう。
森場くんは言う。
「今ちょうどプロジェクトが大きく動き出すタイミングだから、一番やりがいがあって楽しい時期だと思う。一緒に頑張ろう」
「はい。お役に立てるように頑張ります」
結局私のことを彼は全然憶えてなかったけど、そんなの気にならなくなるほどワクワクしていた。会社のスーパースターの仕事が間近で見られるのだ。こんなにラッキーなことはない。


