勘づかれたのかと思った。

冷や汗が背中をツーっとつたう。

嘘をついてる罪悪感がジクジクと刺さる。

けど、一時の感情で積み上げてきた年月を手放す勇気はない。

あくまで乗り切る。

それでいいんだ。


「ねぇ、、、」

実可子が上目遣いで甘えるときは、抱いてほしいのサイン。

もちろん、それを僕は受け入れる。

拒否なんかしたら変に疑われてしまう。

「尊、好き。大好きよ。」

「うん、僕も好きだよ」


これは嘘じゃない。

実可子を好きなのは紛れもない事実。

なのに、モヤモヤするのは桃田さんのせいだ。