休み時間になると寺島くんのまわりはすごい人だかりだった。


それをみてやっぱり。と思う。



愛される人間。愛されてきた人間。


わたしとは正反対の人間。



寺島くんは明るい性格で、すぐにみんなと打ち解けているように見えた。


わたしはそれをうらやましいと思いつつ、次の授業の予習をした。


中学生のころ、お母さんとお父さんに好かれたくて、遥ばっかりかまう2人に振り向いてほしくて、勉強を必死で頑張った。


テストで100点をとればきっと「すごいね」ってほめてくれる、「がんばったね」って認めてもらえる、そう思って。