――ガラガラ
「うわ、イケメン」
「え、すごくかっこよくない?」
「やばい、タイプかも」
転校生が入ってきた瞬間、こそこそ話す声が聞こえた。
たしかに、かっこよかった。
身長が高くて、足が長い彼は、顔もはっきりとしていて軽くパーマがかかっている髪がすごく似合っていた。
でもわたしは、なんて真っすぐ綺麗な目をした人なんだろうと思った。
なんの曇りもなくて、いままで見てきた世界はきっと愛に溢れていたんだろうって。
ああ、わたしとは正反対。
それにどうせこれから関わることがない人だ。
「寺島龍希です。よろしくお願いします」
そういった彼の声も低くきれいな声でまたまわりがざわざわしている中、わたしの視線はもう彼ではなく青い空を眺めていた。



