ピンポーン
そのときチャイムが鳴った。
「誰だろう?」
ドアを開けるとそこには久々に見た顔が。
「渉くん?!」
「おお、愛。久しぶりだな、メールとかくれてたのに全然これなくてごめんな」
渉くんに会うのは1年ぶりだろうか。
渉くんはわたしの命の恩人。
高3のとき会いに行ったあともちょくちょく連絡を取り合っていて、結婚式にもきてくれていた。
「きてくれて嬉しいよ、あがってあがって」
「お邪魔します。って、もしかして遥ちゃんいるの?」
「うん、いるよ」
部屋に戻ると遥の足にちょこんと座った愛希は素直に靴下をはいていた。
「え、遥はかせてくれたの」
「うん、意外とすんなりきてくれたよ」
「そっか、ありがとう」
なんていうことだ。わたしよりも遥の言うことを聞くなんて。



