「あれでなりたつのかね」
「この学校の人ならあれだけど外部の人からしたらどうなんだろうね」
まわりをみるとほかの女の子たちは“ルール”なのかすごく頑張ってメイドさんになりきってる。
それに対して遥はわたしたちのときと同じようにほかのテーブルでも同じ感じだ。
ただかわいいからなのかわからないけれど、ほかの子たちよりも圧倒的に遥が呼ばれている。
「たぶんいちいちあれやってたらもたないんだろうね」
「それはいえてるな。あの人気じゃ」
だされたコーヒーを飲みながら遥の様子を眺める。
遥とはずいぶん仲良くなったと思う。
2人で出かけるようにもなった。
今までだったらありえなかったみたいテレビ番組で争ったり、どっちがさきにお風呂に入るか争ったり、ごはんのおかずの最後の1つをどっちが食べるか争ったり。
そんなことでさえ内心は嬉しくて仕方ない。
血は繋がっていないけれど、本当の姉妹になれてきたと思う。
「そろそろ、いこっか」
「うん、そうだね」
「遥、いくね」
いまだ忙しそうに動いている遥に声をかける。
「ありがとうございました」
いかにも店員さんらしき言葉で返してきたのをきいて教室をでた。



