「今日さちょっと寄り道しない?」

「いいよ」

カフェにはいって向かい合わせで座る。

愛とこうして向き合うのはなんだか久々な感じがした。

「なにかあったの?」

「いや、とくに・・・」

なんで黙ってんだ俺。


「愛はさ、進路きめた?」

そして口からでた言葉はこんな言葉だった。

たしかに聞きたかったけど、学校でも聞けることなのに。

でも愛はそんなこと気にする素振りもなかった。


“臨床心理士”


はじめてきく愛の夢。

そんな俺もはじめて自分の夢をいった。

愛にぴったりだと思うって言われてほっとする。

「お互い頑張ろうな」

夢がいつかかなったとき、俺は愛のそばにまだいるんだろうか?

愛の隣で笑っていられるんだろうか?

愛をずっと好きでいられる自信はあるのに、愛がどんどん先に進んでいってしまうのが不安でたまらなかった。