わたしの願い



―――プルル


はじめはお母さんに電話をかけた。

本当は怖くて、なにかいわれるんじゃないかって手が震えた。


「もしもし!?愛!?」


でも、そんなの吹き飛んだ。


耳に飛び込んできたのは今まで聞いたこともなかった、焦っているお母さんの声。


それに、名前。

久々に、呼んでくれた。


いつから、名前で呼んでくれなくなったのか、覚えてないくらい。お母さんからの愛は懐かしい響きだった。


わたしの目から涙がこぼれた。