わたしの願い



「あなたお名前は?」


「愛です、藍沢愛」


「愛ちゃん。いい名前ね。きっと誰からも愛されるように、愛が深い人間になるように、そうつけられたのかしら?」


「・・・わかりません」


名前の由来なんて聞いたことがないし、もしそう思ってつけたのならどこで間違えてしまったんだろう。


「愛ちゃん、さっき誰も悲しまないっていったけれど、違うんじゃないかしら?」


「え?」


「携帯、すごくなってたから」


海に入るとき、かばんは砂浜に置きっぱなしで、その中に携帯もいれてたから無事だったらしい。


枕元に置いてあるかばんの中から携帯をだしてみるとメールと着信の数がすごかった。


お母さんから、お父さんから、遥から、そして龍希くんからも。