わたしは一歩一歩海の中へと足を進めた。 このままわたしが死んだら、悲しんでくれる人はいるだろうか。 わたしの親は、遥は、クラスメイトは、龍希くんは悲しんでくれるだろうか。 死ぬ恐怖よりも、死んだあとのことを考えているほうがこわい。 涙がすーっと頬を伝った。 わたしはその涙ごと波に流されてしまえばいいと思って、顔を海に沈めた。