「藍沢さん、だっけ?」


「え?」


放課後帰ろうとしたとき後ろから声をかけられて振り向くと寺島くんがいた。


「急にごめんね。藍沢さんって頭いいんだね。さっきの数学の問題俺全然わかんなかったからさすごいなと思って」


「そ、そんな・・・」


本当にやめてほしい。こんな教室の中で話しかけるなんて。

みんなの視線が痛い。



わたしに話しかける人なんていままでいなかったから本当は嬉しいはずなのに、よりによって寺島くんなんて。