「じゃあこの問い解けた人、前にでてきて黒板に書いてほしいんだけど・・」


数学の授業がはじまり、先生がみんなに問いかける。


でも誰も手を挙げなくて、先生も困っている様子だった。



たしかにこの問題は応用で少し難しい。

でも予習をしていたわたしにとったら簡単な問題だった。



ふと顔をあげると先生と目があってしまって、藍沢さんできる?といわれてしまった。


「はい」


本当は前にでて黒板に書くとかしたくないけれど、言われてしまった手前断るわけにもいかずしぶしぶ席をたち黒板の前にいく。


震える手でチョークをもち、答えをかいた。


「はい、正解。さすがね」


わたしはいわゆる優等生。


先生からもできる子だと思われていて、それがプレッシャーでもあった。