君と恋する通学時間


「あ、えっと……ありが、とう」

戸惑いながら紙袋を受け取って中身を見てみる。

入っていたのは。


「これ……」

「すっげーほしそうにしてたから」


中身はストーンのお店で一緒に見たエメラルドグリーンの石がついた数珠のブレスレットだった。

「受け取ってくれる?」

小鳥遊君は頬を赤らめながら、ぎこちなく笑った。

私を見つめる優しい眼差しにドキドキする。

「で、でも、こんな高価なもの」

なんで?

どうして?

「咲姫が痴漢に遭ったとき、俺も同じ電車に乗ってたんだ。で、咲姫の異変に気づいて助けようとしたら、俺より先に森口がおっさんの腕を掴んでた」

「え? あの時小鳥遊君もいたの?」

全然気づかなかった。

「女子なのに、痴漢に立ち向かってすげーなって。強いなって思ったんだ。で、そん時に一目惚れしてさ。駅で見かけるたびに、森口のことずっと見てた」


「う、うそ」

信じられない。

そんなにも前から小鳥遊君が私のことを見ていたなんて。

それに、ひ、一目惚れって。

うそでしょ?

夢みたいだよ。