君と恋する通学時間


「デ、デート? 楽しそうだね!」


わー、なにを言ってるの私は。

そうじゃないでしょ。

でも、だけど。

やっぱり、いきなりは変われないよ。


「か、かわいいね、彼女さん。すごくお似合い」

そんなこと、微塵も思ってないくせに。

どうしてこんなことしか言えないんだろう。

「森口だけには言われたくねーし」

「え? あ」

胸にズキッと衝撃が走った。

知らなかった、私ってそこまで嫌われていたんだ。

「ご、ごめん。友達でもなんでもない私なんかに、こんなこと言われたくないよね。邪魔してごめんなさい。私、もう行くね。バイバイ」

胸が痛くて仕方なかった。

応援すらさせてもらえない私って、いったいなんなんだろう。

「いや、そういう意味じゃなくて。待てよ」

腕を掴まれ、動きを止められる。


「は、離して」

「無理」


振り払おうとしてみても、小鳥遊君の力は強くビクともしない。

「な、なんで? 誤解されちゃうよ?」

小鳥遊君の好きな女の子はその子でしょ?

だったら、私なんかに構わないでよ。

「べつに、いいし。でも、森口にだけは誤解されたくない」

「え?」