君と恋する通学時間


足が向くままに歩いていると、いつのまにか駅に着いていた。

いつも利用する北口とはちがって、南口に到着。

毎日きているはずの駅なのに、入口がちがうだけで新鮮 に見える。

すると駅のすぐそばのコンビニから誰かが出てきたのが見えた。

スッとした黒のスラックスに、グレーのジャケット。

ジャケットの下にはカッターシャツを着ていて、 とてもおしゃれな服装のその人。

顔を見てみると、それは小鳥遊君だった。

その隣には、いつの日にか見た小柄で華奢な女の子の姿があった。

ちょうど正面から出てきたから、向こうもすぐに私に気づいた。

目が合い、一瞬だけ私たちの間の空気が止まる。

それまで女の子と楽しそうに話していた小鳥遊君の顔が、徐々にこわばっていくのがわかった。

お互いに立ち止まって見つめ合うこと数秒。

ドキンドキンと大きく激しく心臓が動いている。

どう見たって二人は付き合っている。

休みの日に一緒にいるんだもん、それしかいよ。

女の子は目が大きくて顔が小さくて、とてもかわいかった。

美男美女カップルですごくお似合いで、キラキラしたオーラがまぶしい。

小鳥遊君の手にはプレゼントらしき紙袋があって、もしかしたら今日渡すのかもしれない。

傷つくのはあとでいい。

あとで、いい。

そう……あとで。