「卵に牛乳、にんじん、アスパラ、ベーコンっと。あとは、えーっと」
紙に書いてあるものを次々とカゴへ入れていく。
そしてお菓子売り場へきた時、小鳥遊君が好きだと言っていたチョコレートのパッケージが目に入った。
あの時渡そうと思っていたチョコレートは、未だに部屋の机の上に置いてある。
このままずっと渡せる日なんてこないんじゃないかな。
「なにしてんだ?」
えっ?
「た、小鳥遊君……!」
本当に不意打ち。
だってまさか、こんなところで会うなんて思ってもみなかった。
薄い色のジーンズにグレーのパーカーという、とてもラフな格好。
ポケットに手を入れて、寝ぐせのついた髪の毛がピョンと跳ねている。
それでもカッコよく見えてしまうのは、きっと小鳥遊君に恋をしているから。
好き……だから。



