木曜日。
「よう」
いつもより一本早い電車。
突然後ろから声をかけられて、まさかと思った。
だって、そんなはずはない。
それなのに、私の心臓はドキドキと大きく高鳴り始める。
ゆっくり振り返ると、そこには小鳥遊君がいた。
制服をゆるく着崩し、ポケットに手を入れて無表情で立っている。
力強くてまっすぐな眼差し。
「あ、お、おはよ」
昨日の電話を無視したこと。
メッセージを見なかったこと。
なによりも、電車の時間をずらしていること。
後ろめたいことがたくさんあるから、小鳥遊君の目をまっすぐに見られない。



