君と恋する通学時間


まっすぐな正斗の視線から、逃げるように下を向く。

「ま、なにかあったら言えよ? 力になってやるから」

「ありがと」

深く聞かないでいてくれたのは、正斗の優しさ。

そういうとこは、ちゃんと空気を読むからさすがだなって思う。

授業中もずっと、頭にあるのは小鳥遊君のことばかり。

思い出すとツラいから考えたくないのに、なかなか消えてくれない。

重くなっていくばかりの心は、どうすれば軽くなるんだろう。

このまま好きでいてもツラいだけなのに、嫌いになりたいのに。

どうすればあきらめることができる?

あきらめることができたら、楽になるよね。

もう悩みたくない。

なにも考えたくない。

振り回されたくない。


それなのに、あの日から二人の姿が頭の中から消えてくれない。