「なに、これ」
「なにって、未愛が好きな飴」
「いや、うん。それはわかるんだけど、なんで?」
「なに言ってんだよー、もうすぐ誕生日だろ? プレゼントだよ」
「え、あ……」
そういえば、そうだった。
「五月五日だろ? ゴールデンウィークだから、当日は無理だし早めにって思って」
そっか、今週末からゴールデンウィークに入るんだ。
今年の連休は超大型連休で十日も休みがあるんだっけ。
自分の誕生日を忘れるくらい、小鳥遊君のことで頭がいっぱいだった。
「ありがとう」
精いっぱいの笑顔を浮かべて正斗にお礼を言う。
もらったキャンディーを早速一つ口に入れると、甘酸っぱいイチゴの味が口の中に広がった。
うん、おいしい。
「なんか元気なくね?」
「え? そうかな」
普段なにも考えてなさそうなのに、こういう時だけは鋭いんだから。



