君と恋する通学時間


いつもより早くに家を出て、いつもより一本早い電車に乗って学校へ。

「よ、早いな」

廊下で男子たちとたむろっていた正斗が、私を見るなりこっちへ走ってきた。

どうやら今日は部活がないらしい。

「おはよう。たまには早く来なきゃと思ってね」

ガラガラと教室のドアを開けて中へ入る。

私のあとから正斗もついてきた。

「どんな心境の変化だよ。あ、そうだ」

なにかを思い出したように、正斗が手を叩く。

私はそんな正斗をスルーして自分の席に着いた。

今は誰とも笑って話せない。苦しくて、しんどい。

油断すると涙が出てきそうになる。

「これ、やるよ」

そう言って突然目の前に差し出されたのは、ピンク色の袋にポップなイチゴのイラストが描かれたキャンディー。

それも一個や二個じゃなくて、一袋全部。