君と恋する通学時間


女の子のほうは後ろ姿だけしか見えないけど、とても細くて華奢で、思わず守ってあげたくなるような後ろ姿。

「あ、ねぇねぇ! 誕生日プレゼントなんだけど、いつ買いに行く? 一緒にお祝いするよね?」

「あー、そうだな。たまには祝ってやるか」

「もう、たまにはなんて言わないで毎年祝ってよね」

「そうだな、考えとく」

そういう……ことか。

今日女の子へのプレゼントを買わなかったのは、一緒に買いに行くつもりだったからだったんだ。


わかっていたことだったのに、私はなにを期待していたんだろう。


なにを勘違いしてたんだろう。小鳥遊君には好きな女の子がいる。


十分わかっていたはずなのに。

どこかで期待してた。


がんばれば、私にもチャンスがあるんじゃないかって思ってた。


でも、ちがった。二人の間に入りこむスペースなんて一ミリもない。


私なんかじゃ 太刀打ちできない。二人の姿を少し見ただけで、改めてそれを突きつけられた。


胸の中でガラガラとなにかが音を立てて崩れていく。


奥のほうがズキズキと痛んで、 目の前が次第にボヤけ始めた。


ダメ、こんなところで泣いちゃ。


必死に唇を噛みしめて涙を我慢し、再び自転車に またがって来た道を引き返した。