「はは、なんだよそれ」
小鳥遊君の声が鮮明に聞こえた。誰かと一緒にいるのかな?
後ろからよく目を凝らしてみると、小鳥遊君の隣には髪の毛の長い小柄な女の子の姿があった。
「もう、笑わないでよー! 涼平って、相変わらずイジワルだよね」
「咲姫がバカなのが悪い」
「バカって言うほうが、バカなんですー!」
「ガキかよ」
楽しそうな二人の後ろ姿。
小鳥遊君は女の子のほうに顔を向けて、笑顔を見せている。
私といた時よりも、何倍も楽しそうに。私の足は自然と止まっていた。
『涼平』って、 『咲姫』って。
親しそうに名前で呼び合う二人。
それだけでこの子が小鳥遊君にとって特別な女の子なんだと思わざるを得ない。
女の子と出かけたことがないって言ってたから、女友達はいないんだって勝手に思い込んでた。
会いたいと思っていた気持ちが一気にしぼんだ。



