君と恋する通学時間


それからはなぜか無言で、電車を降りるまで私からも小鳥遊君からも声をかけることはなかった。

土曜日ということもあって、ショッピングモールの中はいつもよりも賑わっていた。


「森口はどんなものが好き?」

「え、私?」

「うん、教えて」

雑貨店やアクセサリーショップ、服や小物、靴屋さんが並ぶ中、特にどのお店にも入ることなく前を通りすぎていく。

「私はキャラクターだとこれが好きかなぁ」

手に取ったのは、猫をモチーフにした女の子に人気のあるキャラクター。

「あとはかわいい小物も好きだけど、パワーストーンとか自然の力を感じることがで きるものも好きだよ。誕生石とかね」

「誕生石?」

「あ、うん。ちなみに四月の誕生石がダイヤモンドで、五月の誕生石はエメラルドだよ」

「へえ、誕生石か」

ふむふむと納得しているような小鳥遊君。

「あ、でもパワーストーンとか石系が好きな人は少ないと思うから、私の意見は当てにしないでね」

小鳥遊君の好きな女の子はどんな子なんだろう。

イメージを伝えてくれるとわかりやすいんだけど、前に一回聞いちゃったしなぁ。

結局聞けなかったけど、さすがにもう一回聞くのはなぁ。

「いや、行ってみよう。ストーンの店」

小鳥遊君がそんなことを言い出した。

このショッピングモールには誕生石はもちろん、さまざまな力を持つ石がたくさん置いてあるお店があって、ここにくると必ず立ち寄るほどのお気に入り。

私は好きだけど、でも……。

いいのかな。

だって女の子なら、普通はもっとかわいい小物とかアクセサリーとかのほうが喜ぶんじゃない?

「いいから、行こうぜ」

「わかった……」