そわそわしながら電車に乗って、二人掛けの席に座る。
二人の間に少し空いたスペース。
触れないようにしなきゃと思って、隅っこで小さくなる。
チラリと隣をうかがうと、小鳥遊君は電車の中の宙吊り広告を見上げていた。
その横顔も男らしくてカッコいい。
「なんだか、緊張するよな」
「え?」
広告を見上げていると思っていたのに、小鳥遊君は私の視線に気づいていたようで。
ゆっくりとその横顔がこっちを向いた。
「これって、デートってやつだろ? 初めてだから緊張する」
「デート……」
初めて?
うそでしょ?
すごくモテそうなのに、今まで誰とも出かけたことないの?
それに、私とのお出かけをデートだと思ってくれるの?
嬉しい、嬉しすぎるよ。
「わ、私も! 私も初めてだよ。だから、昨日は緊張して眠れなかったんだ」
「マジ? 俺も、今日かなり寝不足」
うそ、まさか。
だって、相手は私だよ?
小鳥遊君の好きな女の子じゃないんだよ?
それなのに……。



