「はぁ、どうしよう」
ますます好きになってる。
授業中も家にいる時も、小鳥遊君のことで頭がいっぱい。
朝が来るのが待ち遠しくて、一分一秒でも長く一緒にいたいから、ずいぶん早めに家を出るようになった。
帰りの電車ではほとんど会うことがないから、とてもさみしい。
小鳥遊君の高校の最寄り駅に電車が着くと、その姿を無意識に探している。
膨らむばかりのこの想い。
「いっそのこと、告白しちゃえば?」
「そうだよー、そんなに悩むくらいならちゃんと伝えたほうがいいって」
数日前、私はとうとう佳世と梅ちゃんに自分の気持ちを打ち明けた。
二人はきゃあきゃあ言いながら私の恋バナに耳を傾けて、最後には応援すると言ってくれた。
「相手に好きな人がいたっていいじゃん。伝えなきゃ、伝わらないよ?」
なんて言ってくれる梅ちゃん。
「でも……」
伝えなきゃ、伝わらない。
それはわかってる。
でも、勇気がない。
だって、振られたら今のままの関係ではいられなくなる。
話せなくなったら、嫌だよ。
苦しいよ。
それなら、今のままでいるほうがいい。