「ほら、これ」
小鳥遊君はカバンからなにかを取り出して私に向かって差し出した。
条件反射で手を伸ばすと、手のひらにそっとなにかの包みが何個か置かれた。
「やるよ、俺のお気に入り」
「チョ、チョコレート?」
「そう、しかもかなり甘いやつ。カロリーをとりたい時に、ちょうどいいから」
小鳥遊君はまだ口元に笑みを浮かべている。私は真っ赤になりながら縮こまるしかなかった。
「わ、悪いよ、五個も」
「それぐらい、大きな音がしてたけど?」
「……っ」
あー、もう。
ほんとに恥ずかしい。
このまま、ここから逃げてもいいですか?
うつむいたまま、顔を上げることができない。
とてもじゃないけど小鳥遊君の目なんて見られない。
「冗談だよ、本気にすんなって」
頭にポンと乗せられたのは、温もりのある小鳥遊君の手のひら。
ポンポンポンと、なだめるように頭を撫でられる。
触れている場所が熱くて、ますます顔を上げられなくなった。



