君と恋する通学時間


「小鳥遊君の好きな子って、どんな子なの?」

「え?」

「あ、え、うそ」

心の中でつぶやいたつもりだったのに、思わず口にしてしまっていた。

小鳥遊君は 目をパチクリさせながら私を見ている。

「あ、いや、えっと。メモに、告白の言葉がたくさん書いてあったでしょ? 一生懸命考えて書いたんだなぁって思ったんだ。その子へのまっすぐな気持ちが伝わってきたっていうか、ほんとに好きなんだなぁって。あんな風に言われたら、きっと嬉しいと思う」

なにを言ってるんだろう。

でも、小鳥遊君にそこまで想われている子が羨ましい。

きっとその子は、小鳥遊君に真剣に告白されたら一瞬で恋に落ちちゃうよ。

考えただけで、胸が張り裂けそうに苦しい。

応援するって決めたのに、全然ダメだ。


「マジで、そう思う?」

「う、うん」

「そっか」

小鳥遊君はなぜか、熱のこもったような眼差しで私を見つめる。

その視線にすごくドキドキさせられた。

なにかあるんじゃないかって、そんなはずはないのに期待してしまう。

ちがう、これは好きな子に対しての表情なんだ。

私に対してのものじゃない。

だから、ドキドキしちゃダメ。