「わっ」 手すりを持っていたとはいえ、予想外の出来事に大きくバランスを崩した。 ──キキキキキキィ 大きな音を立てながら、徐々にスピードが落ちていく。 足元が左右にゆれて前へ引っ張られる中、力強い腕が私の腕を捉えた。 「大丈夫か?」 「え、わっ」 見上げた先にあった小鳥遊君の顔は、想像していたよりも近くて。至近距離で目が合い、驚いた。 透き通るような綺麗な肌に、まっすぐに澄んだ瞳。ふわっと香る、小鳥遊君の香り。 そのどれもに、クラクラとめまいがしそうになる。