「よくない。美蓮ちゃんは何もわかってない」
「わかってないのはユウだよ」
わたしの気持ちなんて知りもしないで。
いや、知ってこんなことしてるのかもしれないけど。
どっちにしたって、わたしの恋は報われない。
「男がどんなに危ない生き物かわかってんの?」
「わ、わかってるってば……!」
「へえ。じゃあ」
そう言うと、ユウは教科書を持っていない方の手でわたしの両腕を掴んで上にあげる。
バサッとわたしの持っていた教科書が落ちる音が耳に届いたけれど、それどころじゃない。
ユウの綺麗な顔がどんどん近づいてきて、その度にドクンドクンと鼓動が甘い音を立てる。
「こうやって簡単に美蓮ちゃんを捕まえて、キスできるってことも?」
「っ、」
唇が触れるか触れないかのギリギリの距離で発せられた言葉。
あと数センチ動けば、きっと唇は触れ合ってしまう。



